2012年4月21日土曜日

刃筋

刃筋が立つ立たないとよく耳にします。 左手で柄を握り、小指と薬指を締めれば刃筋は立つと伺いました。 模擬刀、真剣いずれにせよ樋を入れた御刀は、刃筋が立っていれば切り下ろしたときに刃音が出ます。 しかしながら、刃なみできるときと刃筋で切るときの刃音は決して同じではないと聞き及びます。 また物打ちが仮想敵に当ったときに刃音が立つのが当たり前であり、大根切りで振り下ろし始めたときから 切り下ろしたときまでブーンと刃音が響くのは如何なものでしょうか。 それとも刃筋が立たず、刃音がしないよりは良いのかも知れませんが。 左手は御刀を敵に投げるが如く、右手はその方向を定めるために柄に当て、決して右手では切らぬ。 おぼろげな記憶ですが、そのようにお教え頂いたと思います。 御刀は、敵に当れば切れるともお教え頂きました。 力任せの大根切りでブンブン音だけ勇ましいのは、位に関わるともお教え頂きました。 ふわっと御刀を振り上げ、柄頭が眼中に残る間に刃筋を立てて切り下ろす。 物打ちが敵に当るときに手の内を茶巾絞りに絞込み、その後は御刀の重みで自ずと切れる。 再度申し上げますが、記憶違いであればご容赦を。

2012年2月28日火曜日

手の内

大変に難しくそして語るにおこがましいことに関して、口伝として聞き及んだ範囲を書き記します。
まず刀を手に持って、水平に構えて茶巾しぼりで手の内を締めてみます。
刀は微動だにせず臍前で静止するはずです。
次に手を緩めてみると、右手を緩めれば峰が右に、左手をゆるめると左にくるっと傾きます。
ところが両手を同時にゆるめると刀は切っ先を下に向け落ちようとします。
落ちようとする寸前に両手の薬指と小指を締めると、切っ先は再び水平若しくは上に向きます。
柄を手の内で転がすようにとお教え頂きました。
これがそれを現す結果ではないでしょうか。
敵を切る寸前まで、即ち物打ちが敵に当たる寸前まで柄を握る手は緩く、
例え敵の先制攻撃を受けても手の内で受け流せるように。
物打ちが敵を捉えたときに小指から人差し指まで順に締めながら、
最後は親指を敵に向けて止めを刺すように突き出せば、物打ちは確実に敵を倒します。
小指を締める、緩めるの動作で刀は自在に敵を捉え、攻撃をかわし、そして切りを強力にします。
親指は切る方向を決めてくれます。
また左手の鞘引きは、打撃を極限まで強化します。
左手が鞘を後ろに引く、臍を敵に向けて右手の小指を締めながら親指で押し出す動きは、
正に卍であると思います。
力学的には反作用の応用でしょう。
体は泳ぐべからず、臍は敵を捉え、体は限りなく敵に近く、限りなく敵から遠く、
剣が敵に当たるは、足に至り、腰に至り剣に至ったとき。
即ち全ての要は腰にあり。
ご無礼致しました。